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【本】第三回新潮ミステリー大賞受賞作『夏をなくした少年たち』を読みました

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こんばんは!

新潟県の燕市出身の作家・生馬直樹さんが「第三回新潮ミステリー大賞」を受賞されたとのことで、さっそく読んでみました^^

『夏をなくした少年たち』


あとあと、このタイトルの意味を知って、
うわーーーー!ってなりました。

あらすじ

僕たちの夏の大冒険は、あまりにも哀しかった――。得がたい才能を秘めた新人登場! 拓海(たくみ)と啓、雪丸と国実(くにみ)は新潟の田舎町に住むお騒がせ4人組。小学校最後の夏、花火大会の夜に、僕たちは想像を絶するほどの後悔を知った――。それから20年余り、惨めな遺体が発見され、悲劇の夜の封印された謎に決着をつける時がきた。誰もが通る少年の日々を瑞々しく描いて大絶賛された、第三回新潮ミステリー大賞受賞作。

感想

夏をなくした少年たち』って、名前から、
爽やかで、ちょっと哀しい感じの作品かなって思って読んだら、ちょっとどころじゃない重苦しさでした。

まあ、正直に言って、陰鬱です。
夏の爽やかさは最後の最後に少しだけ感じる、かな。

終始「げ・・・」ってなりつつも、
でも引き込まれてしまいました。

とにかく重たいです。でも、それでも読むのが苦しいけど、読んじゃう。

むしろこの苦しさをはやくなんとかしてほしくて一気に読みました。

アマゾンのレビューもちょっと割れてますけど↓
夏をなくした少年たちのレビュー

ただ、わたしは、いい本だと思いました。

子供心の機微を描くのがものすごく上手いです。

舞台は燕市なんですが、(たぶん旧・吉田町?)
地方都市の田舎にありがちな空気感がとても、とてもうまいです。

閉塞的な、狭いコミュニティの中だけで生きてきた人たちの空気感。

他所の家の話題でコソコソ盛り上がるおばさんたち。
「よそ者」の親子がやっぱりあんまり馴染めないところ。
悪意ある噂話で地域からのけ者にされて壊れていく子供と、その親の立場。

問題行動をして目立ちたがるクソガキ。

こどもの中のヒエラルキー。

ああ、そんな頃があったなと、自分の子ども時代を思い出しながら読みました。

小学6年生の、だんだん大人びていく意識も、

大人になった今から見れば、まだまだ子どもだったなとも思う未熟で繊細なところも。

うまい。


読む前の私:
「なんか旦那さんもおもしろかったって言ってるし、ちょっくら読んでみるか。面白くなかったらやめればいいし・・・」


読み始めた私:
「・・・あ、え? うわ、ドン引きやわ。まじか・・・(でもなんかやめられない)」


結局ぶっつづけで読み終えた私:
「・・・わかる。はああ。燕市サイテー。うまい。ほんとわかる。これすごくいい作品だよ…暗いけど。重いけど。」

↑燕市が舞台になってるけど、あくまでフィクションです。
でも、そう思ってしまうぐらい描写がうまかったです。

ちょっと燕市と弥彦山行ってみようかな

田舎の空気感がわかる人には、かなり「あるある」な場面は数多く出てくると思います。

作中に出てくる新潟県内の自治体

燕市、弥彦村(作中では彦矢町になってる)、三条市、糸魚川市、長岡市が出てきます。

116号沿いの描写とか、弥彦山の駐車場とか看板?とか、わかるー!って少しテンション上がりました。(でも重たいトーンが続くんですけど)

そうそう、作中の子供たちったら、簡単に彦矢山に登るなあと思ったんですが、

そういえば燕市の子供たちは、学校行事で弥彦山に登るんでしたっけ?
(うろおぼえ)


まあ、そんな感じで!

重たいトーンで進んでいくし、陰湿な嫌な場面も多々でてきますが、読む価値あります!

(内容が重いので、バーっと続けて読める日に一気に読むのが個人的にはオススメです。)

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☆作品の舞台:燕市の116号沿いはこんなところ
ロードサイドのお店がたくさんある生活道路だけど、大型トラックもバンバン通っています。片側1車線なので、やっぱり流れはあんまりよくないです。



☆弥彦村
日本一の大鳥居があります。

それでは!